動機づけはどう移り変わっていくのか
小学校、中学校、高校、大学と変わるにしたがって動機付けはどう変わっていくのか見ていきましょう。
復習
4つの動機付けの説明は過去記事をお読みください。
と思ったけどわざわざリンク先とぶのも面倒だと思いますので、4つの動機づけを数学を例に解説
①外的調整・・・お小遣いをもらうために数学をする
②取り入れ的調整・・・数学ができないのは恥ずかしい
③同一化的調整・・・数学をすることはためになる
④内発的動機づけ・・・数学を解くのが楽しい
⑤統制的動機づけ(①+②)・・・数学やりなさい
⑥自律的動機づけ(③+④)・・・数学やりたい
母関数係数推定値と因子分析結果
上記表はhttps://www.jstage.jst.go.jp/article/jjep/58/4/58_4_414/_pdf/-char/jaより引用。画質が悪くてすいませんm(_ _)m
共通
①外的調整ー④内発的動機づけの相関がほとんどない。
①外的調整ー②取り入れ的調整、②取り入れ的調整ー③同一化的調整、③同一化的調整ー④内発的動機づけの相関はほぼ同じ。
近いものは相関が強く、遠いものは相関が弱いのはどこも変わらない。これは以前の研究でもわかっていたよう。ただ①ー③、②ー④のように少しの隔たりがあると小学生,大学生と中学生,高校生間で違いが生まれる。
小学生
小学生の動機づけは⑤統制的な動機づけと⑥自律的な動機づけの二極化していると考えられる。
内発的動機づけ教育が大事で、生徒の自律性を重視したほうがよい。統制的な動機づけをしても自律的な動機づけにはならない。
中学生
動機付けのタイプよりも動機づけされているかどうかに注目した方がよい。(それぞれの動機づけのタイプは中〜高程度の有意な正の相関があると推定される)
ただし、①外的調整と④内発的動機づけがほぼ無相関であるため、報酬や外部からの評価があっても学習に対する興味が出るようなことは期待できないが、それによって興味が下がるということもないのではないかと。
小学生と違い、やや統制的な介入をしても自発的な学びを妨げないのではないかと考えられる。
高校生
結論は中学生とほぼ同じ
②取り入れ的調整が④内発的動機づけと高い相関がある。自律性よりも勉強できないことへの恥ずかしさや不安をかき立ててあげると自律的に勉強するのではないかとも考えられる。
というかそもそも興味や重要性に目を向けていても受験のプレッシャーで不安や恥を感じやすい。
そのためどうしても動機づけが相互に関係してくる。
※なお取り入れ調整という動機づけが高い人を見抜くのは簡単である。ノートに何が書いてあるか見えないように片腕で隠している人はこの傾向が強いのでそれをみればよい。
大学生
結論は小学生とほぼ同じ。
就活メインか研究メインかによって動機付けのあり方がかなり変わってくるのではないかと思われる。
まとめ
全てが自律的な動機づけをしてあげれば良いのですがなかなかそういうわけにもいきません。特に学校は統制的な介入が多いですからね。外発的動機づけ全てがダメだと思うのではなくそれぞれが相互に関係しているんだということを認識するだけでアプローチの仕方が変わるのではないでしょうか。
参考論文
小学生から大学生における学習動機づけの構造的変化ー動機づけ概念間の関連性についてのメタ分析ー
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjep/58/4/58_4_414/_pdf/-char/ja
最後まで読んでいただきありがとうございました。それではこのへんでドラドラ〜