ドラコーラス

学習コンサルタントとしてみなさんの学習のサポートができればなと。一緒に学習していきましょ

動機づけをより柔軟に捉える〜外発的動機づけをないがしろにしない取り組み

マスさんと対話をしながら動機づけのあり方を修正しようと思います。

 

マス:なんか自律的な動機づけを重視すぎじゃない?

ドラ:自律的動機づけと統制的動機づけを比べると明らかに自律的動機づけの方が良いという実験結果は枚挙にいとまないからね、外発的な動機づけはしない方がいいと思っているよ。

 

マス:確かに自律的動機づけはいいと思うんだけどそればっかりっていうの厳しいと思うんだ。受験という制度がある以上、他人と競争しないなんて現実味がないと思うよ?

 

ドラ:あー受験ね。言われてみれば中学生あたりから小学生よりも周りとの比較をすることが多くなってくるんだよね。(中学受験は全体からみれば一部の人だけだし、大多数の人は高校受験が最初の受験となる)

 

マス:それに前に書いた動機づけのメタ分析でも中学高校と小学大学では動機づけの方法異なっていたじゃん。

 

ドラ:確かに。そういえばそこでも中学や高校は他者との比較をより意識するみたいなことが書かれていたような。

 

マス:でしょ。だからなんでもかんでも自律的というんじゃなくて外発的動機づけを取り入れることも必要だと思うんだ。

 

ドラ:ふむふむ。一応理解しているのが、中学校までは他人と競わせたり外部で圧力をかけるとそのあとに内発的動機づけの悪影響になるから、全力で自律的な動機づけを支援するんだけど、中学、高校生になったら、外発的動機づけを含めて動機づけを支援し、大学生からはまた自律的動機づけって感じだよね。

 

マス:うん、ただ小学校までは内発的動機づけをというけどお受験教育をする親御さんにとっては子供が学習に興味を持つまで待つような流暢なことはしないと思うので、ここらへんはまだまだ調べる必要がありそうですね。中学、高校生なら他人との比較も取り入れるということでいいかな?

 

ドラ:報酬で釣るのはどの学年でもいただけないが、時には他人と比較するのも否定はできないよね。積極的に取り入れようとは思わないけど、外発的動機づけを使えば他の理論も使えるからアプローチに幅をきかせられるようになるからね。もちろん内発的動機づけを邪魔しない程度に。

 

 

まとめ

〜小学生まで・・・自律的な動機づけを促進

中学生〜高校生・・・外発的動機づけの影響がでかくなるので、内発的動機づけを邪魔しない程度に共存する

大学生、社会人・・・他人との競争をやめて過去の自分より成長するという意識で。自律的な動機づけを支援

 

中学生、高校生の時期とそれ以外の時期とで動機づけの仕方を変えていくことが思う次第です。

 

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学習のはじめは成功体験がほしい

成功体験の話を聞いてちょっと書いてみたくなったので書いてみました。なお興味があるかたはマーティン・セグマリンが1967年に犬の実験をもとに提唱した学習性無力感の論文をお読みください。(https://homepages.gac.edu/~jwotton2/PSY225/seligman.pdf

 

成功体験無くしては勉強する気がおきない

「努力しても成果出ないんだったら努力しない方がいい」

生徒からよく聞く言葉です。努力して行動しても成果が出ないから学習に対するやる気が起きないんですね。

 

これを防ぐため塾の学習では、わからなかったら前の単元(2次方程式が理解できていなければ→1次方程式→文字式、移行と掘り下げていく)に戻ったり、時には1学年下の教材を使い、「やればできる」という感覚を持たせるようにします。

 

夢を叶えられるかどうかのキー

成功体験の何が重要かといえば成功体験をすることによって夢の実現が現実的と感じるようになるからです。

高すぎる目標すなわち実現可能と思っていない目標は行動するやる気を奪います。目標は高い方がいいといって東大合格を目標にすると、実際に行けると思っている人はいいのですが、実際に行けないと感じている人はかえってやる気がなくなり勉強するといった行動を減らしてしまうのです。

 

成功体験っていろいろある

名前は忘れてしまいましたが、テレビである教育施設が、成功体験の特集をしていました。そこで紹介されていたのが、

 

『かけっこ(短距離走)で小4の人は小5の人よりも前に配置する。こうすることによって年齢が下でも上の学年に勝つことができるという成功体験を積む機会をつくっている』だそうな。

 

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生徒から励ましの声が飛び交うところは非常に良いと思ったんだけど、この成功体験の与え方には心に不協和音が響いたんだよね。

これって外発的動機づけなんだよね。だから自律的動機づけをする立場からしたら相容れないなと。

 

でもむこうはむこうで成果出しているし理論が間違っているのかなーと思うこともあったけど、自分が納得できる考え方は、成功の方法は1つではないということ。

 

成功の方法はいっぱいあるんだから、全部を使おうとするのではなく自分に適したものを使うのが重要ですね。

 

あのやり方でいったい何人が挫折し辞めていったのか想像でしかわからないですしね。

 

デメリットとしてよく挙げられているのは

成功体験のデメリットとしてその成功体験のやり方に縛られて新しいことに挑戦できなくなることを懸念する人が多いですが、万能の方法などありません。勉強法でも暗記法としては最強に君臨する暗記カードも数的処理を要する勉強には全く使えなかったりするのでそれぞれに適した方法を使うことが求められます。

 

新しいことに挑戦しようと思う時は別のアプローチをすればよいのです。

 

まとめ

成功体験をすることで、努力をすれば結果につながるのだという自己効力感が高まる。

もし学習につまづいているときは小さくてもいいので成功を経験してみる工夫をしてみてはいかがでしょうか。

 

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最終更新:2019年4月17日 00:53

締め切りがなければ少しも頑張れない?

最近は記事がうまく書けなくて書いては消し、書いては消しを繰り返しています。うまくなるまで辛抱ですね。

今日は締め切りの効用についてです。みなさんは先延ばしせずに締め切りに間に合っていますか?

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締め切り効果とは

明確な締め切りが直前に迫ると、するべきタスクへの集中力が高まり作業を今まで以上のスピードで終わらせることができる現象を指します。

 

今まで手をつけていなかった夏休みの宿題が3日前に始めようと思うのも(時には8月31日に始める)この締め切り効果が働いています。締め切りが迫っているのを感じ、なおかつそれをやらないと不利益を被ることがわかっているときにこれが働きます。

 

締め切り直前にならないとやる気がでないという人

締め切り効果は誰にも起こります。やる以外に選択肢はなく、完成度を気にせずとりあえず期限を守ることのみに集中するようになるからです。なので「締め切り直前にならないとやる気でないんだよね〜」は当たり前のことを言っているにすぎません。ただの言い訳です(自分で書いていて胸が痛い> <)

 

締め切り効果が起こらないとき

締め切り効果は明確な締め切りと、それをやらないことによって面目を失うことや、恥をかくといった危機が迫ると起こります。ブログを書くのが間に合わなくても何かが脅かされることもなく、締め切りも自由な裁量となっています。(動機は別にある)

 

夏休みの宿題もそれをやるのが大事だとおもったり、やらないとまずいと思うからなんだかんだ直前にやるんですよ。こういうのがないと夏休みが終わっても宿題やっていなくても平気な顔をしていられるんですよ。やれと決められたことくらいは守りましょうねー。

 

締め切りを守るには

課題の提出などを確実にしたいときは、決められた時間よりも早めに自分なりの設定をするといいでしょう。締め切り直前にならないとやる気がでないという人はそのままだと二流ですが、自分はそれまでやる気にならないということを自覚しているのなら、自分で締め切りを作ることによって一流に近づけるかもしれません。

 

まとめ

時間に余裕を持って課題を終わらせるようにしましょ。最初に課題を手につけたのはいつですか?まだならすぐに取り組みましょうね。

 

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こんなにも苦しんでいるのは自分だけ

こんなにも苦しんでいるのは自分だけ?そういう風に考えることあるのではないでしょうか。それはどうなのでしょうか。見ていきましょう。

他人のことは表面的にしかわからない

 

仕事で働いている人は仕事の自分というのも作り出しています。教師と呼ばれる職業でも、普段は内向的な性格の人も壇上に上がると外交的に振る舞います。

 

友達の教師曰く、「授業中は教師というものを演じているのであり、そういう意味では役者である」と。

 

だから生徒の目には輝いて見えるし、(自分と違って)不安なことなんてないかのようにうつってしまう。

 

でも実際には授業以外で話が苦手で悩んでいるかもしれない。普段笑顔を見せている人でも家族の問題を抱えているかもしれない。

 

内面の苦しみは本人にしかわからない。少なくとも見えにくい。

というか家の中で見せている自分と家の外で見せている自分は違うでしょ?そんなもんだって。自分だけじゃないって。

 

人に言っても解決しないとき

友達や先輩に喋ることによって気持ちが晴れることがあります。

 

そうなればよいのですがなかなかそうもいきません。返答が定型文だったりすると逆に自分のことをわかってくれないと思ってしまい、余計に落ち込みます。

 

めっちゃ泣いてみる

感情を爆発させてみましょう。

 

個人的には『ドラえもん のび太のおばあちゃんの思い出』とか絶対泣ける。15回観た今でも泣ける。・°°・(>_<)・°°・。もうティッシュ必須だし。おばあちゃんと対面するシーンとかもう目を開けてられない。

 

好きな人の前でもいいですし、動画見てでもなんでもいいので辛くなったら感情を発散させてみてはどうでしょうか。

 

自分を励ます言葉を書きなぐってみよう

 

いつでも他人が助けてくれるわけではありません。時には自分自身で鼓舞することが必要となります。というわけで書きなぐってみました。

 

  1. 努力を積み重ねているじゃん。
  2. 大丈夫、大丈夫
  3. いつも味方だよ
  4. 失敗は成功の母
  5. ダメ元で砕けてこい
  6. ガンガンいこう
  7. なんとかなるっしょ
  8. リセット!
  9. 緊張は成功の前兆
  10. いいことすれば報われるはずそれが今じゃないとしても

 

 

あなたはどういう言葉で自分を励ましますか?

 

まとめ

辛くなったときに他人のことを考える力が低下していますからね、元気な通常時に他人も辛い気持ちを背負っていることや、自分への励ましの言葉を考えるとよいでしょう。

 

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努力を褒めるのはよいが結果を褒めるのはダメなのはなぜか

 

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結果を褒めるのがなぜダメなのか

結果を褒めると、失敗をしたときにそれを努力不足と思わずに能力不足だと捉えてしまう。能力不足だと考えるのはなぜダメかというと、それが学習性無力感を感じさせてしまうからである。

 

能力は不変のものと考えてしまうと、学ぼうという意識がなくなってしまいそれ以上勉強しなくなってしまうのである。

 

(MINDSET「やればできる!」の研究の著者でもあるキャロル・S・ドゥエックさんの考えを参照)

 

「結果を褒める」ことと「達成動機」の関係をパス・ダイアグラムでみると、「結果を褒める」ほど「達成動機」が低くなると推定できる。

 

確かに結果を褒めることは、成功や失敗の原因を努力によるものだと考える傾向を示しているが、それよりも「失敗を能力が原因」だと考える傾向の方が勝っているのである。

 

努力を褒めるのがなぜ良いのか

努力を褒めるとそれが直接達成動機の向上につながる。(パス・ダイアグラムの因果関係から)

さらに「努力を褒める」ことは「失敗の原因を能力不足と考える」ことと負の相関があり、成功や失敗の原因を努力によるものだと考える傾向にあるため努力を褒めるのが有効であると考えられる。

 

 

参考論文


親の働きかけやほめ方が児童の達成動機に与える影響―原因帰属様式を媒介として―

https://shujitsu.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=93&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1

 

それではなぜ結果を褒めたりするのか

 

それは努力というものは目に見えないが、結果は具体的な数値として見えることにあると思われる。そのため過去と比較してできた、できないがわかりやすいからである。

 

あとは、努力は生徒や本人をしっかり観察しないといけないが、結果を褒めることは過程を見ていなくてもできるため言いやすいことが挙げられると思う。

 

と考えてみたが、単純にこの結果を知らないだけの可能性の方が高い。

 

なので明日からは結果を褒めるのを控えるようにしてみましょう。

 

まとめ

結果を褒めるのではなく、努力を褒めるようにしましょう。一見結果を褒める方が楽そうですが、実は努力を褒める方がバリエーションに富み、様々な着眼点から褒めて伸ばすことができるのです。それについてはまた今度〜

 

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